日本人なら誰もが知っている法隆寺。
最近ではクラウドファンディングで
1億5千万円を上回る支援金を集めたことで
ニュースにもなっていましたね。
法隆寺の魅力は語りつくせないほどたくさんありますが
この記事では、意外な見どころである
「瓦」のご紹介をしたいと思います。
留蓋(とめぶた)瓦とは
切妻屋根や向拝部(仏堂や社殿の屋根の中央が前方に張り出した部分)の
角部分の瓦の上に設置される蓋瓦のこと。
もとは雨漏りを防ぐためのものですが
その上に、動物や植物を象った装飾彫刻を設置したものもあります。
「うさぎ」や「亀」など、法隆寺には様々な種類の留蓋瓦がいっぱい!
特に「瓦注目エリア」にはいろいろな留蓋瓦がありますよ。
お気に入りの瓦探しも、法隆寺の意外な楽しみ方のひとつです。
「波に乗ってるうさぎ」がかわいすぎる!
うさぎが飛び跳ねている躍動感と、波の流れる様がとっても印象的!
後ろ足がたまりません♡
大きさは、こんな感じ。
屋根にちょこんと乗っています。
左側に見える屋根が、南大門の内側部分です。
下からうさぎさんを激写!
しつこいぐらい撮りまくってます(笑)
南大門入ってすぐ、左側にある地蔵院さんの屋根にいますよ。
波の意味とは?
瓦には「立浪(たつなみ)」という、波を模した形がよく使われています。
波=水ですから、「火除け」の意味合いが込められていると考えられます。
うさぎの意味するもの
・月にはウサギが住んでいるという説話もある通り、ウサギは月の使いとも言われ
「ツキを呼ぶ」縁起のいい動物
・ウサギは飛び跳ねる = 「飛躍」
・ウサギは子だくさん = 「豊穣、子孫繁栄」
・ウサギの長い耳 = 「福を集める」
「火に飛び込むうさぎ」という説も
「今昔物語集」には、火に飛び込むうさぎのお話があります。
そのため、このうさぎがその姿を現しているという説もあるようです。
今昔物語集のウサギのお話しとは
(実は帝釈天)
私は疲れ果てた老いぼれじゃ。貧しくて、食事もままならない。
聞くところによると、そなた達は哀れみの心が深いとの事。
一生のお願いじゃ、慈悲の心があるのならば
この私を養ってもらえぬだろうか?
こちらこそ願っても無い事。
すぐにでも養って差し上げますよ。
木に登って、栗、柿、梨を取ってきましたよ。
さあどうぞ!
川で魚を捕って来ましたよ。
さあ召し上がってください!
お前さん達二匹は、本当に哀れみ深い。
既に菩薩と言っても過言ではあるまい。
老人を養う為に食べ物を探し歩いたが、野山はとても危険だ。
このままでは人や獣に襲われて、食べられてしまうだろう…..。
わたしはこれから、おいしい食事を探してきます!
焚き木を拾って、火を起こし待っていて下さい。
ところがしばらくすると、兎は手ぶらで帰ってきました…。
お前は一体何を持って来たと言うんだ!
嘘を言って人を騙し
木を拾わせて火を焚かせ、暖を取ろうというつもりか!
憎たらしい奴め!!
確かにわたしは食べ物を持ってくる力がありませんでした。
ですから、このわたしの身を焼いてお食べ下さい。
そう言うが早いか、火の中に踊り入って、焼け死んでしまいました。
帝釈天は、老人から元の姿に戻ると
全ての生き物達に、この兎の行動を見せよう。
そのために、この兎の姿を月の中に移しましょう。
今でも月の表面に雲のようなものがあるのは、この兎の焼け死んだ煙です。
また月の中に兎がいるというのは、この兎のこと。
全ての人は、月を見る度に、この兎の行動を思い出すべきなのです。(終わり)
ひ~~!
月にウサギがいると言われているのは
こういうお話があったからなんですね。
このお話は、仏教の「捨身(しゃしん)」を表しているのでしょう。
法隆寺の玉虫厨子に描かれた「捨身飼虎図(しゃしんしこず)」が有名ですね。
捨身とは、身を捨てて他の生物を救い、仏に供養する布施行の一つです。
それにしてもやっぱり、兎がかわいそすぎます。。。( ノД`)
法隆寺に関係する、もう一つのうさぎ話
話が瓦から脱線していますが、脱線ついでにもう一つ(笑)
法隆寺に隣接する中宮寺には
国宝の「天寿国繍帳(てんじゅこくしゅうちょう)」があります。
天寿国繍帳とは
聖徳太子が往生した天寿国のありさまを刺繡で表した帳(とばり)のこと。
こちらの左上を見てください!
ここに先程の、月に昇ったうさぎが刺繍されているんですよ。
これは、月のうさぎを表したものとしては、日本最古(622年頃)となります。
普通、うさぎは月でお餅をついているイメージですが
それは後の時代のお話しで
ここでは、不老不死の薬を作っているそうです。
うさぎといっても耳がそこまで長くなくて
ちょっとかわいらしいですよね。
菊の花
瓦の話に戻ります(笑)
多くあるのが、菊の花の留蓋です。
菊の意味としては
- 高貴
- 長寿
- 無病息災
といったものがあるようです。
丸い形が太陽を思わせることから
こういった願いが込められるようになったのでしょうね。
蓮(ハス)
お寺に行くと、必ずどこかに蓮のモチーフを見かけますよね。
蓮は、仏教と密接に関係しています。
蓮には
- 智慧
- 慈悲
- 神聖
- 高貴
- 清らかな心
といった意味が込められています。
夢殿の四脚門には、ちょっと変わった蓮がありますよ。
これは、何??
じゅんさいのようにも見えます(笑)
お寺の方に聞いたところ、蓮の葉が閉じているところだそうです!
蓮の葉ってこんな風に閉じるんですね~~。
桃
かわいらしい形が特徴の桃も
お寺では定番のモチーフです。
- 不老長寿
- 幸運
- 厄除け
といった意味がありますよ。
レアキャラ登場!亀
法隆寺では、うさぎに並ぶ人気キャラの亀。
夢殿のお寺の方に
「西円堂に亀がいます。探してみてください。」
と言われ、ようやく発見!
宝探し感覚で楽しめます。
おすすめエリア、西円堂
八角形をした西円堂は、ついつい見逃しがちですが
れっきとした国宝。
ご本尊の薬師如来坐像も国宝で
重要文化財の千手観音菩薩立像とあわせて
外側からですが見ることができます。
個人的には、この千手観音菩薩立像の
なんとも神秘的で気高いお姿が印象的でした。
小高い場所に立っているので
ここからの眺めも素晴らしいですよ。
時間が合えば、お寺の方が鐘をついて時を告げる姿を見ることができます。
ボーーーン
という深みのある音が、心地よく、癒される~。
一説には正岡子規の句「柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺」
の鐘がこの西円堂の鐘という話も。。。
遥か昔の時代に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
他にもこんな留蓋が
変わった形をしていますが、何でしょうか?
蓮ですかね??
小さくてわかりずらいですが、波だと思います。
こちらも波ですね~。
これは宝珠ですかね??
貝のようにも見えるんですが
とにかく形がかわいいです(^o^)丿
何度も訪れたい法隆寺
ただでさえ、建物から仏像まで見どころが多すぎる法隆寺ですが
さらに瓦も楽しめるとあれば
何度でも訪れたくなりますよね。
行くたびに新たな発見が待っている法隆寺に
ぜひとも出かけてみてくださいね!
法隆寺へのアクセス
私の体験談~JR奈良にする?近鉄奈良にする?~
奈良の一番の困りどころは、JR奈良駅と近鉄奈良駅が離れているところ!
約900mもあります。徒歩にして5~7分。
奈良のホテルは断然「近鉄奈良駅」近辺がいい!
- 商店街があるので、食事をするのに便利
- 東大寺、興福寺といった奈良一番の観光スポットが近い
でも法隆寺に行くなら、JRのほうがわかりやすい
- 近鉄で法隆寺に行く方法もありますが、JRのほうが簡単(な気がする)
- でもJR奈良駅近辺のホテルだと、食事や観光するのにやや遠い
結局選択したプランは
- 京都に滞在した後、奈良に移動し、同日に法隆寺観光
- 移動は、JR
- ホテルは、近鉄奈良駅エリア
京都
↓
JRみやこ路快速・奈良行き(約46分)
↓
JR奈良 ※駅構内のコインロッカーに荷物を預ける
↓
JR大和路線区間快速・天王寺行(約11分)
↓
JR 法隆寺
※ 帰りは、JRで奈良に戻り、コインロッカーの荷物をピックアップ
※ 徒歩で、近鉄奈良駅近くのホテルに移動
→ ここだけは徒歩やむなしと判断(-_-)
※ 京都へは、近鉄奈良駅から乗車
このプランで、朝7時台に京都駅出発。法隆寺には13時頃まで滞在。
JR奈良駅に戻り、近鉄奈良駅近くのホテルに移動。途中昼食。
ホテルチェックイン後、興福寺と興福寺国宝館を観光。
翌日朝チェックイン後、荷物をホテルに預け、東大寺、東大寺ミュージアムを観光。
奈良国立博物館(仏像館も)も訪れ、そこで昼食。
ホテルで荷物をピックアップし、近鉄奈良駅より乗車し京都へ。
京都から新幹線で夕方東京着。
かなりな弾丸ツアーでしたが、1泊でも結構回れますよ!
いつか奈良に1週間ぐらい滞在し、寺巡りをするのが夢です(^^)
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!!
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